池上永一『レキオス』沖縄という土地の混沌と美
西暦2000年の沖縄本島を舞台にしたSF。主人公は混血の女子高生デニスだ。
沖縄を取り巻く政治的軍事的テーマと郷土神話を絡めながら、終盤になればなるほどファンタジックな仕掛けに発展する。
一番の見どころは、日本とアメリカの中間に位置する沖縄という土地の混沌と美の描かれ方だ。伝奇的な感のある壮大なプロットは、沖縄という土地の混沌と美を描くためのフックでしかない。コザ、那覇、ハンビータウン、天久、嘉手納、ムーンビーチ、セーファ御嶽、すべてがキラキラとドロドロと輝いている。池上永一はつくづく沖縄が好きなのだと思う。
個性豊かな登場人物たちも沖縄を引き立てる。黒い肌と縮れた髪、抜群の身体能力を備えたイマドキの女子高生デニス、正義感のある"平凡な"エリート将校ヤマグチ少尉、親友の理恵、天才科学者オルレンショー博士、抜群の占い的中率を誇るユタのオバア、時を越えた守護霊のチルー、CIA所属ブルネットの才女コニー、同じくCIA所属スケコマシでインテリのフェルミ、いかにも企みのあるヤマグチの上司キャラダウン中佐、秘密結社GAOTOの本拠地とされるスナック『ブルーチャイナ』を統括する女帝の劉、その部下たち、無垢な天才整備士クリス、おばかなギャルのヒロミ。ひとりひとりにドラマがあり、それが沖縄という土地でこそ輝き、沖縄という土地を輝かすドラマなのだ。
大胆なシナリオを肉付けして細やかに土地の風景が描かれる。そのひとつひとつに圧倒的な沖縄への皮膚感覚と教養、やさしく厳しい視線が宿っている。デニスと理恵がムーンビーチに繰り出すシーンには、池上永一の作家人生を影で支える美しい描写力が鮮やかに発揮されている。
安定感のあるプロットやロジカルな伏線回収を求める人にこの小説は向かないかもしれない。政治問題や、軍事問題への文学的な問いかけを期待するのもナンセンス。そんなことは置いておいて、ただただ世界観に浸りきりたい人にはオススメだ。フィクションがフィクションたるプリミティブな読書体験と、いつまでも耳に残り続けるオキナワンサウンドを保証できる。
平日の朝からオープンテラスのカフェでDTMをしている
平日の朝から、カフェのオープンテラスの席で、LogicからSoundCloudに自作曲をアップロードしている。アメリカーノなのにとても苦いアイスコーヒーを飲んでいる。涼しい。半袖にサンダルでは少し涼しい秋の午前。
さて、ザ・ブロッコリーズは『ブロッコリーズのテーマ』の次の曲をつくっている。曲名はずばり『雪の断章』だ。佐々木丸美の同名小説からとっている。大学生の頃、創元推理文庫から佐々木丸美の復刊ラッシュがあった。最初に偶然手に取ったのが『崖の館』だ。その透明感に一発ではまり、復刊された作品はほぼ全て読み切った。我ながら乙女な青年だった。彼女の本はその後一度も読み返していないが、いまでも本棚の一角に存在感を持って収まっている。
曲『雪の断章』は弾き語りでつくっている。どんな心境でつくったかはすでに忘れている。タイトルを拝借したからには、私の中でのイメージは近しいはずだが、決して小説がアイデアの種になっているわけではない。
実は、弾き語りの状態でも、この曲はAメロとBメロしか存在しなく、完成していない。イントロもない。歌詞には推敲がたっぷり必要だ。そのうちアイデアが広がるときがくるだろう。そう思ってメモだけ残している曲たちのひとつだった。今回ピックアップしたのは、意外と打ち込みでも合うかも、と思ったからだ。
従い、このような曲調としてみた。もとはさみしいフォークソングだったのだけれど、DTM化に伴い、ローテンポを逆手に取った気持ちよさで、漂うようにノれる曲にしていきたい。
『ブロッコリーズのテーマ』はほぼ打ち込みだったので、バッキングギターを重ねてみた。ラインで録った音源をコピー&ペーストして、あれこれエフェクトで悩むのは楽しい。無精なので私はあまりペダルを踏まない。DAWならペダルでは到底再現できない音作りを楽しめる。特にディレイ、リバーブ、フェイザーは打ち込みリズムとの相性も良くて気持ち良い。
恥ずかしくて発表できない曲とかありませんか
私はあります。
このブログでアルバムをつくりたいと宣言して曲作りを進めているんだけど、なかなか相応しい二曲目ができず。
ちなみに一曲目は↓
じつは曲ができないわけではない。
というか曲はいつになく沢山できている。
メロディも歌詞も新しい引き出しを発見できつつあると思っている。
じゃあ、どうしてそれを録らないのかって言うと、その曲たちがどうにもプライベートに過ぎると思っているからだ。
プライベートな曲。自分自身が出すぎていて恥ずかしい曲。誰ともシンガロングしたくない曲。
発表したってろくに聴かれるものではないのだから、躊躇すべきではない。
でも恥ずかしいものは恥ずかしいのだ。
別に湿っぽいバラードだとか、実話仕立てのラブソングだとか、そんな曲ができてるわけではない。
でも恥ずかしいものは恥ずかしい。小さじ一杯程度の本音でも、私には。
それはまだ自分だけのものにしていたい。まだ。長い人生でいつか形にできれば良いと思っているそんな曲たちは、実は沢山ある。(ちなみに『ブロッコリーズのテーマ』は恥ずかしくない曲)
恥ずかしくないものを出したい。
生身の自分をさらけ出さないで済む曲を、安心して発表したい。よしんばそれを誰かに認めて欲しいし、誰かの心を動かしたい。自分は後ろに引っ込んだまま。
甘いだろうか。甘いだろう。少なくとも芸術で身を立てようとか、人を感動させるつもりなら。
でも次のようにも思う。
恥ずかしくない曲なんて、意味あるのかって。
それは本当に自分の曲なのかって。
例えば特定のジャンルの愛好家たちに向けて、特定のジャンルが約束された、彼らがいいね!してくれる楽曲を安定供給するなんて意味あるのかって。彼らはお互いにそうやっていいね!しあってるだけなんじゃないかって。
趣味を楽しむということがそういうことなのだろうか。
少なくとも私は、楽しんでくれる仲間がはっきりした場所に、はっきりしたジャンルの曲を投下したいとは思わない。それは私にとっては創造ではなく芸だ。どれほどプロフェッショナルな完成度であっても。
芸だって十分楽しいし音楽の本質の一部ではあるけど、私は、自分が自分のためにつくったものが、どこかの誰かに自分と同じように響いてしまう奇跡のような跳躍をこそ、芸術の存在価値のほとんどだと感じながら育っている。
だから恥ずかしい曲を作って、いまそれを出せずにいる。そう、遠回りだ。
とか言っていてもいい加減進みが悪いので、必ず何か捻り出すようにします。
この長文はそのための助走。最低ひと月に一度はブログ更新したいし。では。
8月の大人
梅雨を感じさせない7月が過ぎて、8月ははっきりしない天気が続く。ZeroBeatのレビュー記事の更新も少しペースを落とし、『ブロッコリーズのテーマ』の編曲も心なしかゆっくりだ。
夏バテなのか食欲がないことも多かった。気の緩みなのかなんなのか、通勤帰宅の時間以外に、ゴロゴロしながらYouTubeで音楽を聴く時間も増えた。通勤帰宅や散歩の時間にはアルバムを聴く。YouTubeの場合、自ずと曲単位で聴くことになる。いろんな曲を知れて良いしその瞬間は楽しいが、どうもそれはネガティブな音楽の聴き方である気もする今日この頃。
夏休みがとれるので、いつにするか思案中。友だちとパーッとリゾートという話もあるし、ひとりでふらりと出かけるのも良い。実家に帰れば歓迎されるだろう。ばらばらに休暇を取得して、土日のように使うのもありだ。なんだっていいけど、もう八月の半ばだけど、どれに対しても積極的な選択ができないまま、夏休み消化期限が迫っているのが今目の前にある現実だ。
お酒を飲むのは楽しい。ひとりで飲むのが一番うまい。飲み会も良いスパンで訪れるので、みんなで飲むのも楽しい。話すことはたくさんある。そうやって毎日が過ぎてゆく。少しだけ甘ったれた環境で、少しだけ情けない環境で、少しだけふわふわしたまま、楽しく、煮えきらず、満足して、納得できずに過ぎていく。やりたいことを残したまま、やりたいことに近づいたり、遠ざかったりしながら。
次の曲に手を付けたいので、『ブロッコリーズのテーマ』のバージョンは、今回をもって1.0とする。本当は歌もあるのだが手こずりそうなので今回はシンセverというカタチで落とし所とする。編曲面では、最終調整ということでいろいろと手を入れた。PAN、音量、オートメーションの調整はもちろん、楽曲構成で小細工をしたり、聴こえるか聴こえないかわからないような音も追加して、完成度というやつを高めたつもりでいるので、期末の実技試験の仕上がりを見る心構えで、聴いてくれるひとがいるとうれしい。もちろん、機を見て今後バージョンアップしていく可能性はある。
つぎの曲のことを考えている。つぎは真正面から、メロウな歌ものを形にしたい。本当はそういうやつが好きなのだ。まずは弾き語りを録ってから、それをDTMサウンドとして再構築する過程を残したら面白いとおもっている。
新しい食べ物の味を知って、新しいお酒の味を知って、新しい人付き合いを知って、新しい気の持ち方を知って、何の無理もなく、少しずつ豊かに、少しずつましになっていく。これが大人になるということなら、私が大人になりはじめるのは、随分と遅かったようだ。そして、大人になることがいま本当にはじまってしまったのだなあと思う。
Twitterは、条件反射のように立ち上げて、懲りずにいつも見ている。それでもつぶやくことはあまりない。今日は楽器屋でギターを見て帰ろう。
ギターソロを録ってみた
時間がかかったが、予告通りギターソロを録ってみた。
むずかしかった。
考えるのも難しかったし、演奏するのも難しかった。音作りも難しかった。
とはいえ、何はともあれ、録音してみた。
ギターソロの難しさ
リズムに合わせて適当にギターを弾く習慣がつくと、ギターソロなんていくらでもつくれるような気がする。
しかし、曲がある状態で、いわゆるフレーズというカタチでソロを用意するとき、トライしてみて、勝手がまるで違うことに気づく。
あえてアドリブ感を出したい場合は良いだろう。しかしそうでない場合は、もはやスケールやコードなんて制約にしかならず、待っているのは無限の音の可能性だ。今回も、このソロが理論上の正解なのか私はわかっていない。手探りに手探りで絞り出したものだ。
演奏においては妥協せざるを得なかった。粗々なのは承知だが、何度弾いても完璧に録れなかった。それどころか本当は弾きたかったフレーズを実は簡略化させてすらいる。今後録り直しても良いし、録り直さなくても良い。
Logicのギターライブラリ
音作りにおいては、まずLogic内でのライブラリ選びに時間がかかった。
Logicのギターライブラリは、全体的にリバーブがきつすぎてどうも奥まって聴こえるものが多い。そんな中選んだのは、Sweet Boutiqueだった。はっきりした輪郭の手応えがアンプからの出力に近かった。
しかしながら、録音した音源と楽曲を通して聴きながら、再度いろんなライブラリをあててみると、また迷いが生じ始め、遂にはメタルのような歪みのCrusherに落ち着いた。面白いものだ。最初からCrusherでモニタリングしながら録音することは、まず選ばなかっただろう。録音に向いた音源というのも探求のしがいがあるのかもしれない。Crusherのような強い歪みを自分の曲が必要とした、というのも全くの想定外で、DTMならではの良い偶然の気づきだった。
次回は、録音したギターを筆頭に全体の調整とブラッシュアップを行う。ギターはオートメーションによるフェードアウトからしてできていない。全体においては、駒が揃ってきたので、リアレンジの意気込みで仕切り直して取っ組み合う。
それにしても暑い夏がやってきた。
『ブロッコリーズのテーマ』のような騒がしい曲以外に、並行して、涼し気な曲もつくってみたい。
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Space Designer・イコライザー・ギターソロ
ギターソロのための試行錯誤
「ギターソロを入れたい」という思いがまずあった。
今回は、そのために、楽曲構成をあらためて考える時間が長かった。
最初はアウトロにソロをいれようと目論でいた。
サビとかAメロとかがはっきりしない曲であり、いずれにせよ取ってつけたようなカタチになると思ったので、むしろ取ってつけた感を活かそうと考えていた。一方で曲が短く、盛り上がりのピークが来ていないままギターソロのアウトロで終わって良いのか、という懸念があった。
ギターソロで転調することも構想していた。
しかし、歌メロに伴うコードの転調ならまだしも、ギターソロだけ転調するとなると、どこからどう考えて良いのかもわかっていなかった。
煮詰まってきたので結局、主旋律のシンセと装飾音を抜かした、ヴァースと同じトラックをアウトロにもう一度くっつけるところからステップを踏み出した。主旋律だけでなく、なぜ装飾の和音を取り除いたかと言えば、歌メロと同じようなソロを奏でたくなかったからだ。転調の仕方は分からなくても、リズムのみに影響されて自由にソロを発想できるようにしたかった。
ソロに入るときのドラムパターンは自分なりに工夫した。既存のフィルでは、Apple Loopsそのままだったが、今回はそのWAV音源のリージョンを分割し、必要な部分だけ組み合わせた。八分のスネアで、ダンスビートに敢えてブレーキをかけた。1:17辺りだ。
ソロのバックトラックを用意したところで、むくむくと浮かんできたのは、ソロの後にもう一回歌で盛り上がれる風にしても自然だな。という気づきだった。音にしてみないとわからないものだ。音にしてみるだけで進むのだ。なるほどDTMはおもしろい。ソロの後にもう一度主旋律を繰り返し、これで構成の大枠は決まった。
Space Designer
その他のトラックにおいては、地味ながらそれなりに調整を加えた。
目立ったところで言えば、主旋律にオクターブ上のパートを追加。そして、マスタートラックにかけたSpace Designerだ。
聞きかじりの知識によるとSpace Designerはその名の通りスペース、つまり空間をデザインするリバーブだ。Space Designerのプリセットを見ると本当に多種多様な場所が用意されている。Large、Medium、SmallそれぞれのサイズのRooms、Halls、テレビスタジオ、ジャズクラブ、ストリート、森、トンネル。マスタートラックにかけることで、指定した空間で演奏しているような空気感をリバーブによって再現してくれる。今回も、Space Designerをかけるだけで、ひとまずそれなりの雰囲気が出来てくれたような気がする。
イコライザー
他には、スネアのリズムを強調するために、同じタイミングで、別の音源でスネアを鳴らした。いい加減音数が気になってきたので、各トラックの音量は聴く度に調整した。PANも少しずつ変えた。団子のような音から少しだけ距離を取ることができた気がする。基本的に音量は絞る方向で、PANは散らす方向で。
そして今回初めて各トラックのイコライザーを調整した。大胆なことや、技巧的なことはしていない。音源毎の交通整理のみを心がけ、気になったトラックの周波数の最も高い部分と最も低い部分を削った。
所感と次回
ものになっている自信は無かったが、過去にDTMで試行錯誤したことが、今回のアルバム制作プロジェクトで生きていることがわかってきた。Space Designerもイコライザーも触った経験があって良かった。以前は場当たり的にググってやり方を調べ、正解がわからないまま時間をかけてきた気がする。今回はググらずともベースの知識はあった。また、どツボにはまった経験から、直感的な決断や、引きどころの見極めが上手くなっている。もちろん、それと楽曲の良し悪しは別だが、この快適な楽曲制作のリズムを信じていれば、着地点も良いものになる気配を感じている。そういえば、リスナーとしての経験値も、数年前とはわりと違う。その点も今回のスムーズさに寄与しているかもしれない。次回は、いよいよギターソロを録る。何パターンか録って、SoundCloudで比較してみようかしら。
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ブリッジから盛り上げてもう一度ヴァース
今回は以下の編曲/作曲を進めた。
①ヴァースの伴奏にピアノを入れてメリハリをつける
②主旋律のシンセの音色を変更
③主旋律にハモりをつける
④イントロに色付け
⑤ブレイクの後、もう一度ヴァース
⑥二度目のヴァースではシンセのベースラインを追加
⑦ブリッジを作曲
⑧ブリッジ後にもう一度ヴァース
実は最初は、頭でイメージしていたルート音となるベースを各小節の頭に打ち込んでみた。しかし、どうもしっくりこない。考えてみればこの曲は、コードが決まっていなかった。
習慣上、大半の作曲はアコースティックギターでやる。まずメロディや言葉の断片があって、それにコードをつけて曲らしきものにする。高校生の頃から、私の作曲は常にその形で行われ、弾き語りのワンコーラスにはそれなりのストックがある。コードをつけることは技術を要さないため、何よりも得意だったと思っている。
しかしそれができたのは、曲がいわゆるロックやJポップの延長の、歌ありきの場合であって、気まぐれで今回のようにエレクトロな曲にトライすると、十中八九コード進行に苦難する。そもそもこういった曲にコード進行という概念があるのかどうかも不確かである。
そんなこんなで、ルート音は見つかることなく、断念した。
リズミカルなピアノ伴奏
気を持ち直して、伴奏を厚くするために、Apple Loops からピアノ音源を探した。エレクトロな曲だからこそレガシーな楽器を鳴らしておきたいと思っていた。「Latin Lounge Piano 07」といういい具合にリズミカルなフレーズがあったのでパンで大きく左に振って、ほぼ常時鳴らしている。
シンセの音色変更
次に主旋律のシンセを「British Combo Synth Lead」から「Anthemic Sync Lead」へ変更した。これは何となくである。ちなみに主旋律と言うからには、ボーカルに置き換える構想もある。
ハモりで重厚感
そして上五度と下三度でハモらせた。ハーモニーというよりも、重厚感、ちょっとした合唱感を出したいと思っている。音量は絞っているが、ボーカルに置き換えるときは、ドンと前に出すはず。
イントロでPadをつかう
曲の始まり方と終わり方はまだイメージできていないが、とりあえずのイントロにも一手間かけた。ヴァースのメロディをPadでぼやかしている。
80sのベースライン
ヴァースの主旋律は前回サッと浮かんだが、曲展開の構想は未だ無かった。この曲のターニングポイントになりそうだったので、無理せず思い浮かぶのを待った。何もまとまらないままLogicに向き合ったところで、次の三点のアプローチで意外と行けそうな気がもりもり湧いてきたので実践。ひとつは、とりあえず一度曲を静かにしたかった。もうひとつはそこでベースを差し込んでいく、そしてベースを交えてもう一度ヴァースを繰り返す。
どう聴こえるかイメージできていなかったので、イメージ通りとはいかないが、思ったより良かった。というかこれしか無い、ってくらいしっくりきた。これだから曲作りは面白い。
当初ベースラインはプログレ的な歪みのロックベースをイメージしていたが、「80s Dance Bass Synth」という素材が思いの外はまったので、採用。転換ポイントではドラムのフィルも入れてみた。少しうるさいかもしれない。
ブリッジを考える
そしてブリッジがくる。これをブリッジと言ってよいかはわからないが、コーラスでは無い気がする。ボーカルに変換したら複数メンバーの掛け合いになるようなイメージで、ヴァースのメロと同じ「Anthemic Sync Lead」で打ち込む。ちょっとワケが分からない感じがあるが、個人的にはメリハリがついて面白いと思っている。そしてブリッジが盛り上がる勢いに乗ってもう一度ヴァースを。
以上、今週末の進捗。
各トラックの音量やパンはその都度、気になった所を調整している。またプロジェクトのキーがCだったので、Apple Loops を足していく前にE♭に変更した。E♭で多分正解。
現時点でやけに曲が短いが、バンドのテーマ曲なので短いくらいが丁度よいと思っている。今後展開を加えるとしても、大きく印象を変える方向には持っていかないつもりだ。
あとは、小物のフィルやフレーズ、オブリガードを邪魔にならないように適度につけ足したい。そしてすでに邪魔な音は、勇気を出してデリートしていかなければならない。ついついおざなりにしてしまいがちな部分だ。ベロシティやエフェクト、ノード長の調整は全くやっていない。こちらも妥協無き姿勢が大切。難しい段階に入ってきた。
唯一の楽しみはギターだ。この曲で、ギターのライン録音も再勉強したい。どんなギターを弾くべきか。考えることが楽しい。そんなこと言ってられるのも今のうちだけかもしれないけど。
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